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渋谷区幡ケ谷の歯科医院。ひとつの歯科医院がすべての専門分野を高いレベルで統合しています。
“あなたにとって本当に必要な歯科治療だけを提供する”これが総合歯科診療所の真髄です。
※2011年に初台から幡ヶ谷へ移転リニューアルオープン致しました。
医院住所 | 東京都渋谷区幡ヶ谷2-20-10 キュアーレYMD8~11階 |
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電話番号 | 03-3374-0764 |
最寄駅 | 京王新線 幡ヶ谷駅 |
診療時間 | 午前 9:30~13:00 / 午後 14:00~18:00 |
休診日 | 土曜日・日曜日・祝祭日 |
35.6765357,139.67337499999996
東京都渋谷区幡ヶ谷2-20-10 キュアーレYMD8~11階
35.6765357,139.67337499999996
歯科難民
『ガン難民』という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
「ガンであることを知りながら自分にとって最良の治療法を知ることができず、多くの情報に振り回され満足な治療を進めることができない患者」を指す言葉です。
全国で130万人(2002年)といわれるガン患者総数の約半数67万人いるといわれる「ガン難民」は、医師からわかりやすい十分な説明を受けることができず、不満から医院を転々と移り変わる。そのたびにインターネットや書籍、テレビ、新聞などの情報に翻弄され、断片的な知識ばかりが増え、治療を選ぶことさえできなくなるのです。
(順天堂大学医学部 樋野興夫教授談)
歯科医療には、これに似た『歯科難民』がいます。
歯科医院では多くの場合、保険証を持って行けばすぐに歯を削り、奥歯には銀歯が入る。そんな経験はありませんか?
健康保険証を持って歯科医院に行けば、健康保険上のしくみ上“準医療契約”が自動的に結ばれ、「健康保険の範囲であれば金額や治療の内容(材料や治療法)について歯科医師の裁量でお任せします」という意思表示になるのです。
昭和36年(1961年)に出来たこの制度、当時からの慣習でされてきた範囲なら「どこでもこうしてる」と十分な検査や説明もなく”お任せ治療”がされるのです。
ご存知でしたか?
「忙しそうで話を聞いてもらえそうもない」「何か言ったら起こられるんじゃないか?」「これからの治療に影響するといけないので心象を悪くするかもしれないことは言えない」・・・。
こうして、治療の質にしろ、説明にしろ「仕方ない」「こんなもん」などとあきらめていないでしょうか?
このような不安や不満が蓄積した結果、他の医院へ移るのです。
歯科は他科と比べ転医率が高い診療科目といわれています。
最近では、前医の治療の問題を指摘し、治療をすすめる歯科医も多いと聞きます。
そこに医学的な根拠があればよいのですが、多くの場合、納得がいかないおかしな問題なのです。
歯科医への不信感は転医を繰り返すほどに増していくのです。
こうした歯科医院や歯科医への不満足はやがて不信感へとつながり、氾濫するインターネットやメディアの情報に溺れ、翻弄され、自分にとって最良の治療を受けられないまま歯科疾患はゆっくりと取り返しのつかない状態へと進んでいくのです。
医療消費者化する患者さん
消費(consumption)とは、欲求を満たすために財・サービス(商品)を消耗することを指します。
医療は基本的に“欲求”ではなく“必要性”に基づくといわれています。
欲求から起きる消費行動は、医学的な治療の必要性よりも大事なのでしょうか?
医療が健康を取り戻すために行われる行為だとすると、患者さんが求め、代償(お金や時間)を払っているのは“健康”を得るためのはず。
歯科医療の場合、ホワイトニングは◯◯ 円、セラミックは ◯◯ 円、インプラントは◯◯ 円・・・という具合に “ もの ” に値段がつきがちです。
”もの”を買って健康が手に入るでしょうか?
「壊れたらまた直せばいい。」
健康は “ もの ” ではありません。
”もの”で健康は手に入らないのです。
“ もの ” は健康回復のための手段に過ぎません。 “ もの ” は使いよう。
歯科医師の知識と技術の違いによって、同じセラミックでも全く違う結果になるのです。
あなたが欲しいのは美しい”セラミック“?・・・それとも生涯続く”健康”?
患者-歯科医療者関係
従来、患者-医療者関係は、信託的信頼関係という最近では余り歓迎されない 関係を続けてきました。「専門的なことはわからないので先生にお任せします」と 言う無言の信頼関係です。それが、医療者にとって心地よい関係であり、診る側と 診てもらう側という上下関係を構築していたのです。
そんな"信頼"に甘えた医療者は、患者さんに十分な説明をすることなく、まして納得を得ることなど考えもしません。
有無も言わさず"まな板の上の鯉"のように削られ、抜かれていくのです。
そんな折、医療消費者と化した患者さんは、「医療提供者」である歯科医師に対し、「好き 嫌い」と言った「好み」を訴え、歯科医師はただそれに応えるのです。
そこには専門家としての診断・判断は必要ありません。知識のない患者さんが望む治療に医学的な根拠など必要ないのです。
“患者さんが望んだ”ことに医療者の責任はなくなるのです。
商品売買ならば「売れればいい」のですから客の欲求に応えることが何より優先されますが、医療は専門的な検査や診査・診断によって「必要性」として行われるべきではありませんか?
そうでなければ歯科医療など「歯抜き屋」「歯大工」「歯科作業員」レベルに過ぎません。インターネット上の知識レベルの患者さんにどうして治療の選択が可能なのでしょうか?
商品を売る歯科医師とお客様である患者様。こんな関係で歯科医は本当によい技術を提供できるのでしょうか?
意味のないインフォームドコンセント
「インフォームドコンセント」日本では“説明と承諾”と訳される治療についての説明を指す言葉です。その中には病気や治療法の説明などがありますが、多くの場合、専門的で患者さんには理解が難しいようです。
例え理解できたとしても、説明されたいくつかの治療方法から治療を選択することは知識の少ない患者さんには不可能 ではありませんか。
「(インフォームドコンセントをしたのだから )治療法を選んで下さい」というのは一見患者さんに選択の自由、決定権をゆだねたように見えますが、実は「患者が選んだ」ことをいいことに 「あなたが選んだんでしょう」と歯科医師側の責任を患者さんに被せるのです。
「この歯は病気が進んで抜かなければいけません。どうするか考えておいてください。」
( とインプラントのパンフレットを渡された。どうするかって抜くか?抜かないか?ってこと?)
「ここは入れ歯かブリッジかインプラント(それぞれについて説明して)になりますがどうするか考えておいて下さい。」
(説明は聞いたけど先生はどの治療が得意で一番自信を持って出来るんだろう?)
こんなインフォームドコンセントなら必要ありませんね。
あなたにとっての最適最善の歯科治療 選択のための2つの視点
自分にとって最適最善の治療を選ぶためには大きく2つの視点で考えることが必要です。
① 歯科医学的、専門的な見方
歯科的健康悪化の原因を明らかにする科学的根拠に基づく検査が必要 です。(Examination)
歯科的健康悪化の原因 を取り除くことができなければ、どれほどお金を かけ高度な技術で治療をしても、再発は免れません。
原因除去のためには歯科医師の卓越した技術も不可欠ですが、あなた 自身の十分な病気に対する理解と協力なくしてよい治療結果は期待できません。 (②に関連)
もちろん専門科としての先生の意見や先生の治療実績、得意な治療方法なども大切な判断材料になります。
検査のレベルは歯科医師の治療技術に比例します。
低レベルの検査では低レベル診断しか出来ず、レベルの低い治療になるのは当然です。
② あなた自身(患者さん)の見方
あなたの病気に対する考え方・不安・期待・感じ方・思い・生活、人生への思い、これらも非常に大切な要素です。
歯科医師やデンタルスタッフがあなたの”歯科治療への思い”をわからなければ“歯科医学的に正しいこと”だけが歯科治療になり、その治療を押し付けることになるのです。
時間的・経済的配慮はもとより、痛みや不快感への配慮は患者さんひとり一人その程度が違うのです。
あなたの口からお話頂くことだけが真実であり、それを理解することも私たちの大切な仕事であると私たちは考えます。
あなたの思いが伝われば医療者の”姿勢”は変わるのですよ。
患者さんにはひとり一人違った生活があります。生活パターンやストレス、経済、健康状態など歯科疾患に大きく影響することがたくさんあるのです。
これらすべてを十分に伺い、配慮してこそあなたにあった治療が出来るのではないでしょうか?
この2つを十分に検査し(伺い)、それをもとに立案された治療計画が十分に理解できるよう説明がされ、歯科医師との信頼関係を基礎として、患者さんの十分な理解と協力を前提とした治療計画への意思決定の共有が必要です。
口腔の健康はあなたのものです。
例えその状況がどのような場合でも、私たち歯科医療者が勝手に治療方針を決めるものではありません。
お互いの責任を認識し果たしながらはじめて良好な結果が得られるのです。
そのためには十分な治療についての話し合いがされることが必要となり、お互いに納得のいく治療方針で治療が進められることが必要なのです。
そこに、患者さん、医療者双方への信頼をベースとした「安心」がうまれるのです。
歯科医療の成果
多くの場合、歯科治療はそのとき抱えている患者さんの口腔に起きている問題解決のために行われます。虫歯が大きく痛みがあれば神経をとって冠を被せておしまい。
数年するとまた同じような事態が起き治療を繰り返すのです。
そうして年齢と共に治療を繰り返した歯は失われていくのです。
2005年 日本口腔診断学会で発表 した初診で来院された827名を対象とした調査では虫歯や歯周病など自分の歯の病気の原因について詳しく説明を聞いたことがあると 答えた患者さんは33%と少なく、しかも正しく理解していた患者さんは皆無に等しいという報告がされています。
現在起きている問題を早く解決することはもちろん大切です。しかし、長い人生の 将来を見通すと、短期的な問題解決以上に長期的な対策の必要性があるのです。
1961年Lovdalの論文以降2004年Axelsson、Nystrom、Lindheらの30年間の追跡調査報告に至るまでプラークコントロールと専門科によるメインテナンスは、治療後の歯科疾患再発防止や治療した場所の長期安定・維持に不可欠であるとされています。
痛みの改善や見た目の改善、咬むことが出来るようになるなど短期的な改善は当然必要ですが、それだけでは残念ながら虫歯と歯周病から開放されることは出来ないのです。
歯科医療の成果は、歯科医療を受けた患者さんが生涯、歯についての問題を感じることなく快適に、美しく生活できることにあると私たちは考えます。
歯科医療究極の目的
HC=0(Hearth Care=0:ヘルスケア=ゼロ)
HC=0 とは・・・
歯科的健康について意識せず、特別な処置も必要でなく、良好な状態が 維持し続けられている状態を指します。
歯は空気のようなに日常生活で意識することはありません。しかし、水泳やダイビングのとき、あらためて空気の存在を意識し、息継ぎやレギュレーター、エア残量を意識するように 、歯も、食事のとき痛んだり、問題を感じたときだけ意識するのです。
東洋のことわざに「医は、医なきに帰す」というものがあります。
医療の存在価値は医療をうけなければならない患者さんがいなくなること。
病気がなくなること。歯科医療の存在価値もそこにあるのだと思います。
HC=0は究極の目的であり、私たち歯科医療者の目指すのは、この目的 達成へのプロセスにあると考えます。歯科医療の実態
歯科疾患実態調査(2004年)によると、残念ながら働き盛りの35歳~44歳はついに“虫歯がない者”がゼロ%になったのです。
歯科医療は、一般的な企業などと同じく経済の影響を大きく受けます。
2008年のリーマンショックを発端とする経済危機は大企業だけでなく歯科医療にも大きく影響を及ぼしています。
2008年東京都では1日に1医院以上の歯科医院が廃業しました。
一旦廃業し復活した(後継者が見つかったなど)医院も含めると実に700医院以上がつぶれたことになります。
こんな切迫した経済事情の中、歯科医療は異常な変化を見せています。
「コーディネーター」(インプラントコーディネーターとかメディカルコーディネーターなどといわれます)と称する新たな職種の登場です。
これは歯科医院で高額な治療(インプラントやセラミックなど)を勧める営業職で治療内容の説明もするのです。
忙しそうな歯科医師よりも話しやすいからと安心し、信頼し過ぎてはいませんか?
本来、治療する歯科医が自ら治療説明をするのは、「私の責任でこの治療を行います」という術者責任を明確にするものです。
術者でない、責任のないコーディネーターの説明で受けた治療で、もし、将来何かトラブルがあったときコーディネーターは責任をとってはくれないでしょう。
歯科医師も「私はそんなこと言ったおぼえはない」と責任のなすりあい、結局責任逃れになるのです。
⇔デンタルサポーティブコーディネーター
商売ならまだしも、十分な知識のない者が、さも知っているかのごとく説得するさまは、欲しくもないものを売るプロの営業職としては当然のことなのでしょうか?
治療が困難で高度な治療になればなるほど、治療する術者の責任は重大で、歯科医師との信頼関係やフォローアップの体制が将来を大きく左右するポイントとなるでしょう。
目に見えない治療技術の高さ(「専門」などの表記や「認定医」と言えど、医療の質の保証ではありません。)や治療(手術)の症例数ばかりを歯科医院選択の基準にしていませんか?
どれほど高い技術での治療も、例えそのとき快適できれいでも、後のメインテナンス次第で長期の結果は大きく違ってくるのです。
残念ながら日本では、十分なメインテナンスの出来る歯科医院は数%しか存在せず、こんなところでも「歯科難民」を作り出してしまうのです。