D-Designe + Tech

D-Designe+Technology 「技術」

歯科治療技術の限界

あなたは歯科医院の良し悪しは“技術の差”だと思ってはいませんか?
上手な治療がされれば本当に歯は長持ちするのでしょうか?
例えば、最新の歯科治療技術インプラントでさえ、HPや歯科医の話ではサバイバルレート(生存率)97%などと知らされ、安心してはいないでしょうか?
サバイバルレートとは「抜け落ちていない」ことを意味しています。
たとえインプラントが感染を起こし、膿が出たり、出血があったりしても抜け落ちなければカウントされないのです。
近年、スウェーデンイエテボリ大学歯周病科ではこの評価基準の問題を指摘し、新たにフェイラーレート(失敗率)を示しています。
インプラント周囲炎というインプラント周囲歯肉に起きた出血などの炎症症状を検査によって評価し、5年後の追跡調査で50%以上が“失敗”と判断されたとの報告があります。
それだけではありません。メインテナンスがインプラントには絶対に欠かせないと言われているにもかかわらず、大学病院でさえ5年後に半数以上がメインテナンスに来なくなるというのです。
すなわち、実際に調査された(サバイバルレートでもフェイラーレートでも)のはメインテナンスを続けた管理良好な患者さんの結果なのです。
言いかえれば、フェイラーレートの場合、インプラント処置を受けた患者さんの75%が失敗していると考えられるのです。
インプラント治療は噛めるようになれば終わりではないのです。
インプラントが確実に骨と結合して噛めるようになるのは現在の歯科治療技術では100%可能なのです。
しかし、歯科治療の本当の評価は、機能や審美性を取り戻した口腔が、どれだけ長期に維持できるか?ではないのでしょうか?
歯科医療のゴールは治療の終了ではなく、ここにあるのです。
ここに歯科医療技術の限界があるのです。

D-Designe+Tec とは、最新、最高の歯科医療技術の提供はもとより、その技術の成果の長期安定を可能にする世界的に評価の高い健康行動の維持継続のための多理論統合型モデルを歯科臨床に応用した歯科医院システムをデザインし、皆様に提供し実績をあげております。(リンクPatientページ)

以下は治療技術の一端です。

このような治療技術の提供は、当院の日常であり、特別な治療ではありません。

虫歯治療

虫歯は治らない

新しい虫歯が発見された場合、削る部分と削らない部分の明確な判別なく削られてはいませんか?
虫歯菌に感染した部分を確実に取り除くことができなければ虫歯は再発してしまいます。歯をできるだけ削らないで、神経を守る治療が望まれます。
歯は一度削ってしまうと、たとえどんなに高度な医療技術をもってしても元通りに治ることはないのです。
それが歯科治療技術の限界であることを忘れてはいけません。

診断

パノラマレントゲン(頭のまわりを回って撮る大きなレントゲン)では虫歯の検査は出来ません。
(大学教育、国家試験に出る常識です)
デンタルレントゲン(数歯だけを撮る小さなレントゲン)ではパノラマの数倍の解像度によって虫歯の発見が可能です。
発見が遅れることで予防や治療が遅れ、歯を削る量が増えたり、神経にバイ菌が入ったりすることがあります。
判断が難しい場合、DIAGNODENT(KaVo)というレーザー診断機器で診断します。

治療手順

かみ合わせの細かい溝が着色して
いるが短針は入らない。
自覚症状は全くない。

パノラマレントゲン(大きなレントゲ
ン)では発見できない虫歯も、
デンタルレントゲン(数歯だけを撮る小さなレントゲン)で発見できる。

DIAGNODENTレーザーを使って虫
歯の進行程度を調べる。
計測値から治療が必要と判断。

カリエスディテクター(う蝕検知液)
で細菌が侵入した歯質を判別する。
歯をできるだけ削らないためには必須。

着色した感染歯質を染出しを繰り
返し丁寧に取り除く。
除去が不十分だと詰めても中から
再発してしまう。

染出し液で赤く着色した感染歯質は取り除かれた。

       
       

虫歯が大きく神経に近い場合は神経を感染から守るため3MIXを使用する。
神経を保護し、神経との壁の厚みを増やすことを促進するα‐TPCなどを基礎に入れる。

コンポジットレジン、ハイブリッドセラミックなどをもとの形態に戻るように本来の歯の構造から色調を判断し、数種類のレジンペーストを選択し、精密に築盛する。

 

色調を微細に合わせ、もとの歯よりも若干きれいめに修復が完了した。

コンポジットレジン・ハイブリッドセラミック充填治療(直接法)

初めてできた虫歯や小さな詰め物のやり直し、小さくかけた歯の修復に適した治療方法です。
セラミックや金属での治療と違い、歯を削る量が非常に少なく、歯と近似した色調で、治療は即日完了します。
どちらもフィラー(粒)をマトリックス(樹脂)でつないだペースト状のものです。
フィラーの硬さ、含有量によって耐摩耗性・破折強さなどが異なります。
また、マトリックスの種類によって色調安定性(変色しない)が異なります。
治療技術と治療にかける時間によって結果が大きく左右されます。
直接法のメリットは、歯科医が直接歯に詰め物を入れることができるので間接法による歯型を採る材料や模型材・修復材料などの寸法精度の影響 を受けず歯科医の持つ技術をそのまま表現します。
歯科医の技術レベルが非常によくわかる治療法です。
同じ材料でも、時間をかけずに雑な仕事をすると形や色調だけでなく修復治療で最も重要な歯との合い具合が悪くなり、バイ菌がたまり虫歯再発の原因となります。

コンポジットレジン

前歯のようにかむ面積が小さい場合はすり減りは少ないのですが、奥歯の場合は数か月ですり減りがみられる場合もあります。
健康保険の適応があるものもありますが、技術と十分な時間をかけることができないと本来の効果を発揮できません。
多くの場合、短時間での粗雑な治療の結果、再び虫歯となったり、変色が起きるなどの問題が起きています。

ハイブリッドセラミック

ジルコニアなど硬度が高いフィラーを用いているためすり減りが少なく長期に審美性を維持できます。
コンポジットレジンよりは細菌の付着は起きにくい。
清掃不良にすればたとえ非常にレベルの高い治療ができていたとしても、変質や変色が起きます。
最小限の治療には非常にメリットが大きい治療方法です。

Esthetic Art Ceramics エステティックアートセラミックス

「Esthetic Art Ceramics」が出来るまでの過程をご紹介いたします。

セラミッククラウン製作VTR解説

治療前

中央上の2本の前歯のうち右1本がセラミックです。
このようにすぐ隣に比較対象がある場合の審美修復が最も難しいのです。
治療の難しさから隣り合う周囲の歯を数本削りセラミックにして合してしまうこともあるようですがいかがなものでしょう?
VTRでは周囲の歯と色が合わず、長さが短く、付け根の歯茎が赤く腫れ一目で差し歯であることがわかります。
自然の歯を削ることは将来歯をなくす可能性を高めるのです。

前準備(歯の状態によって処置方法は異なります)

根元の病気の治療がすんだ歯に、グラスファイバーの土台(ファイバーポスト)が入り、形を整え歯型をとります。
歯型から歯の状態のコピーとなる精密な模型が完成しEsthetic Art Ceramicsの製作が始まります。

ワックスアップ(蝋型製作)

調整された模型の支台(歯の土台)にマスキング(黄色塗料:フレームと支台とのゆとり)を施し、最終的な歯の形をワックス(ロウ)で形成します。
ワックスは室温、種類、熱のかけ方などによって解け方、固まり方が違うため築盛には卓越した技術と経験が要求されます。

カットバック(フレーム蝋型製作)

メタルボンドを作るためにはそのベースになるメタルフレームが必要です。せっかく作り上げたワックスの歯ですが、セラミックを焼き付けるスペースを同じ厚みにするために均等に削り出しフレームの原型となる蝋型を製作します。セラミックの厚みの不均等はクラック(ヒビ)の原因になり、後で割れやすくなってしまいます。そこで先程完成した蝋型から全周を均等な厚みにカットバック(削りだす)します。

鋳造

出来上がったフレームの蝋型から鋳型を起こし、その鋳型に溶かした金属を流し込みメタルフレームを作ります。
最近では金属材料の高騰や金属アレルギーなどに対する配慮からジルコニアをはじめとするオールセラミッククラウンが話題になっています。
ジルコニアオールセラミッククラウンの場合、フレーム製作をこの鋳造の過程のかわりにジルコニアブロックのCADCAMによる削り出しによって製作します。

フレーム調整

鋳型から出たばかりのフレームを削って最終的な形態に調整します。このときの歯型との適合(合い具合)が口腔内に入ったあとの歯周病や虫歯になりやすさに大きく影響します。
拡大鏡を用いて適合を数ミクロン単位で調整し仕上げます。
ジルコニアフレームも同様にフレーム調整がされます。
以下の築盛からのプロセスもジルコニアセラミッククラウンの場合も同様に行われます。
但し、安価なジルコニアクラウンの場合、セラミックの築盛を少なく、またはしないでステイン(着色)だけで製作する場合がありますが、色調は…。


きれいにステインイングされた調整後のジルコニアフレーム

ポーセレン築盛

① フレームの金属色が見えては白いきれいな歯の色は表現できません。オペークパウダーを築盛し、フレームの金属色をマスキング(隠す)します。

② ポーセレンパウダーを液と混ぜ合わせて適度な粘度をつくり筆で少しずつ盛り上げ形を作ります。数十種類のパウダーから事前に撮影した比色写真を参考に歯科技工士(セラミスト)の経験とセンスでパウダーを選択し、その築盛手順、量、層構造(レシピ)を用いて築盛します。築盛の際、パウダーの密度を高めるため振動を加えながら築盛します。形を保ちながら築盛する技術は熟練した技工士の技が必要です。築盛したポーセレンは焼成時に収縮(縮む)します。収縮する量はポーセレンの厚みやパウダーの種類によって異なるため熟練した技が要求されるのです。
ひとりひとり全く違った個性を持った歯をそれぞれに適したレシピで微細な歯の状態を再現します。

焼成

完成までごく普通のメタルボンドで11回約900~1000℃のポーセレ ンファーネス(電気炉)で焼成を繰り返します。
前歯など高いエステティックが要求される場合は、色調がマッチするまで焼きなおします。
エステティックアートセラミックスは、焼成過程だけで歯科技工士が付きっ切りで約6時間かかります。

調整

支台との適合、形態や色調、模型上でのかみ合わせなど微細な調整をします。

仕上げ

実際の歯と同等のツヤや輝きを出し、エステティックアートセラミックスの完成です。

こうしてセラミストの芸術作品が完全オーダーメイドで製作されるのです。

3D Concept